伝説の名アンソロジーが復活!

satkubota2008-12-13

1972年から73年にかけて発刊された早川書房の「世界ミステリ全集」。
その最終巻が「37の短編」というアンソロジーでした。
当時、たいへん楽しく読んだことを憶えています。
それも今では絶版状態で、一部では「幻の」という冠が付くほどだとか。
その名アンソロジーが一部の作品ですが復刊されました。
ポケミスより、タイトルも「天外消失」と改められ
他のアンソロジーに収録されていない作品を中心に14編の作品集になりました。
綾辻行人有栖川有栖の「ミステリ・ジョッキー」の中で
「天外消失」を入れたかったんですが“諸般の事情で”断念したと
書いてあったように思いますが、これがその事情だったんですね。

そんなはずはない。
汚職判事を尾行中の刑事たちは、片時も目を離さなかったのだ。
だが、何の変哲もない電話ボックスに入った判事は、
そこから煙のように消え失せてしまった! 
駆けつけた刑事たちの前には、ぶら下がったままの受話器だけが……
〈世界ミステリ全集〉の最終巻として刊行された『37の短篇』は、
古典風のパズラー作品から、ハードボイルド、クライムストーリーにいたるまで、
傑作中の傑作を結集した画期的アンソロジーだった。
三十五年の時を経て、その精髄がここに復活。
密室不可能犯罪の極致ともいわれる、
上記クレイトン・ロースンの「天外消失」をはじめ、
ブレット・ハリデイの名作「死刑前夜」、
メグレ警部登場のジョルジュ・シムノン「殺し屋」、
スパイ小説の巨匠アンブラーの本格ミステリ「エメラルド色の空」など
多士済々の十四篇を収録!