北川歩実「虚ろな感覚」

虚ろな感覚 (創元推理文庫)

虚ろな感覚 (創元推理文庫)

「飯田さん、いらっしゃいませんか? 警察のものなんですけど」
相手が『飯田さん』と呼びかけたことに、志穂はぎくりとした。
チェーンを掛けたままドアを開くと
相手の女は一枚の紙をドアの隙間から差し入れてきて……。
二人の女のスリリングな心理闘争を描く「幻の男」など
サスペンスの名手が贈る七つの巧緻な逆転劇。
記憶は、感覚は、秘かにあなたを裏切るかもしれない。

ひとひねりしたなかなかに技巧的な短編ばかり。
なかでも上の文章にも取り上げられている
「幻の男」は秀逸でした。
まるで一幕ものの舞台を観ているかのよう。
評判になってる「金のゆりかご」も読んでみたいかも。
今年32冊目/3.5点(5点満点)