柄刀一「fの魔弾」

fの魔弾 (光文社文庫)

fの魔弾 (光文社文庫)

完全な密室の中で、二つの銃殺死体とともに発見された浜坂憲也。
犯人は、浜坂以外にあり得ない絶体絶命の状況下、
しかし、彼は冤罪を主張する。
求刑の時が迫るなか、旧友・南美希風は、
浜坂の無実の証明に乗り出すが、
美希風自身に、真犯人の魔の手が及ぶ。
繊細精緻な本格ロジックに、新しい社会派と呼ぶべき
「法の精神」を盛り込んだ、胸に迫る感動のミステリー。

冤罪を晴らそうとするパートだけでは
やや単調になったかもしれませんが
そこに「現在」という美希風が追いつめられる
サスペンス溢れるパートを挟むことで
ストーリーに厚みが出たように思えます。
有名な某作品に似たトリックを、どう評価するかは
意見が分かれるところでしょうか。
今年22冊目/3.5点(5点満点)