重松清「あの歌がきこえる」

あの歌がきこえる (新潮文庫)

あの歌がきこえる (新潮文庫)

意地っ張りだけどマジメなシュウ、
お調子者で優しいヤスオ、
クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。
コウジの母親が家出したときも、
シュウがカノジョに振られたときも、
互いの道を歩き始めた卒業の日にも、
三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。
サザン、RC、かぐや姫ジョン・レノン……
色あせない名曲たちに託し、
カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。

重松清はひょっとしたら小説界のイチローかもしれない。
1ゲームにヒット1本では物足りない。
2本3本と打ってこそ、その本領が発揮される。
そういう意味では、この作品はヒット1本の
平均的な…あくまで重松さんの、ですが…話かもしれません。
それでも作者とは年齢が近いから
出てくる音楽も思い出も非常によく共感できる作品でした。
今年7冊目/3点(5点満点)