森谷明子「矢上教授の午後」

矢上教授の午後

矢上教授の午後

今にも朽ち果てそうな研究棟の最上階の隅に
押しやられたように矢上教授の研究室はある。
ついでに言えば、教授はミステリの蒐集魔である。
とある八月の終わりの午後。大学は静かだった。
ただ、五階建ての研究棟では、
特に熱心な教授や研究生がちらほら、各々の学業にいそしんでいた。
やがて、上空を雷雲が覆って近くに落雷し、一帯が停電する。
そして、嵐に閉ざされた研究棟の最上階で
誰も見知らぬ男の死体が発見され、矢上教授は真相を追い始めるが…。

なぜかてっきり日常の謎系のしゃれた短編集だと思い込んでいたが
殺人事件が出てくる結構本格的な謎解き小説でした。
ただその謎があまり魅力的でないのが残念。
探偵役の矢上教授も
もっと特徴あるキャラにした方が良かったのでは…。
今年4冊目/2.5点(5点満点)