乃南アサ「ニサッタ、ニサッタ」

ニサッタ、ニサッタ

ニサッタ、ニサッタ

最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し
派遣先をたて続けにしくじったときでも
住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。
ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では
敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。
失敗を許さない現代社会で
いったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。

とくに大きな事件やトピックスが起こるわけでもないのに
読む手が止められないほど引き込まれました。
この本の前に読んだ貫井さんの「後悔と真実の色」に
リアリティが感じられないと書いたけど
これはまた痛いほどのリアリティが感じられ、大満足。
いやぁ、うまいなぁ。
今年101冊目/4点(5点満点)