小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」

猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ

天才チェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡の物語。
廃バスに住む巨漢のマスターに手ほどきを受け、
マスターの愛猫ポーンを掻き抱き、
デパートの屋上に閉じ込められた象インディラを心の友に、
チェスの大海原に乗り出した孤独な少年。
彼の棋譜は詩のように美しいが、その姿を見た者はいない。なぜなら……。
海底チェス倶楽部、からくり人形、人間チェス、
白い鳩を肩にとまらせた美少女、老婆令嬢……
やがて最も切なく愛(いと)おしいラストへ。
ひそやかな奇跡を描き尽くした、
せつなく、いとおしい、宝物のような長篇小説。

なるほど、ウワサに聞いていた通りの美しい小説。
ただ、わたしのココロには響かなかったか。
これはもう好みの問題でしょう。
先日「学問」のときにいただいたコメントにも返事したように
緻密に描かれたひたすら美しい絵画でも、
あまり好きじゃないということも往々にしてあるように。
今年88冊目/3点(5点満点)