柄刀一「密室キングダム」

密室キングダム

密室キングダム

1988年夏、札幌。
伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が事件の発端だった。
次々と連続する、華美で妖艶な不可能犯罪!
吝家を覆う殺意の霧は、濃くなるばかり。
心臓に持病を抱える、若き推理の天才・南美希風が
悪意に満ちた魔術師の殺人計画に挑む。

いやぁ、よくもここまで考えました。
どの密室も単純なんだけど、複合的にからみあい
それに時代や場所、因習なども関係していて独特の雰囲気に。
物語としても面白かったです。
ただ、920ページというのはあまりにも長くないか。
「イッキに読んでしまいました」という感想もあるけど
わたしは時間がかかっちゃいました。
横溝の「獄門島」や「本陣」なんかは
あれだけ印象的な物語なのに、驚くほどコンパクト。
もうちょっと短くてもいいのでは…。
あ、家系図や見取り図なんかも、もっと欲しかった。
今年69冊目/3.5点(5点満点)