天童荒太「悼む人」
- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/11/30
- メディア: 単行本
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亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪している男。
やがて静人は、夫殺しの罪を償い出所したばかりの
奈義倖世と出会い、2人は行動を共にする。
その頃、静人の母・巡子は末期癌を患い
静人の妹・美汐は別れた恋人の子供を身籠っていた。
静人を中心に、善と悪、愛と憎しみ
生と死が渦巻く人間たちのドラマが繰り広げられる。
*
これがウワサの悼む人なのかぁ。
作者の一方的な思い込みか、ひとりよがりで
こういう人物を主人公に持ってきたのかと思ったけど
ちゃんと登場人物に常識的なことを言わせてるところをみると
この主人公の不自然さや気持ち悪さにも気付いていて
あえて、こういう設定にしているようですね。
主人公にはまったく共感できないから
その行動を追ったパートはあまり面白さは感じないんですが
主人公のお母さんのパートはすごく良かった。
ものすごく共感できます。
この部分を読むだけでも価値ありかも。
それにしても、このラストでほんとにいいのかぁ…。
今年15冊目/3.5点(5点満点)