ポール・アルテ「七番目の仮説」

七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)

七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)

ペストだ! その一言に、下宿屋の老夫婦は戦慄した。
病に苦しむ下宿人の青年を囲んでいるのは
中世風の異様な衣裳に身を包んだ三人の医師。
担架で患者を搬出すべく一行が狭い廊下に入ったとたん
肝心の患者が煙のように担架の上から消え失せた!
数刻後、巡回中の巡査が、またしても異様な姿の人物に遭遇する。
言われるままに、路地に置かれたゴミ缶の蓋を取ると、そこにはなんと…
だが奇怪きわまる一夜の事件も
実はさらなる怪事件の序章に過ぎなかったのだ。
それはさすがのツイスト博士も苦汁を舐めさせられる難事件中の難事件だった。

原書房の「本格ミステリ・ベスト10」で堂々3位の作品。
わたしは日本デビュー作「第四の扉」が
良い評判のわりには面白くなかったので
その後の作品からは敬遠していたんですが
この作品はなかなか面白かったですね。
なにより読者を楽しませるツボを心得ているカンジ。
長さも二段組みながらも230ページと
ちょうどいい長さに感じました。
過去の作品もさかのぼって読もうかな。
今年7冊目/3.5点(5点満点)