重松清「とんび」

とんび

とんび

つらいときは、ここに帰ってくればいい。
昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。
愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は
幼い頃に親と離別したヤスさんにとって
ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。
しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。
我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の
喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。

いやぁ、泣きました、泣かされました。…しかも電車の中でまで。
ストーリー自体はそれほど目新しいものではないんですが
ちりばめられたエピソードのひとつひとつが素晴らしく
リアリティがあって心に沁みてきます。
それに、重松さんの作品にいまさらなんですが、キャラがいい。
主役だけじゃなく、脇役の人たちもホントにいい。
読んでるだけで映像が浮かび上がってきます。
そのまま映画にもなりそうですね。
ただ、装幀がイマイチ。地味すぎます。
4.5点(5点満点)