本多孝好「チェーン・ポイズン」

チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)

チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)

誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。
簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。
死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。
「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」
それは決して悪い取引ではないように思われた――。
新境地を開いた驚愕のミステリー。

帯もあらすじも見る機会がなかったので
タイトルや装幀から、もっとダークな話かと思っていたんですが
重苦しい雰囲気ではなく、意外とすんなり読み終えられました。
ただ、タイトルに絡む謎があまり魅力的ではなく
登場人物の雑誌記者がそれを追いかける動機も釈然としません。
ラストの仕掛けにはビックリさせられたけど
それも、それほど効果的とは言えないんじゃないかなぁ…。
「1年間」の意味もそれほど必然性のあるものでもないでしょう。
ちょっと厳しすぎたかな。
3.5点(5点満点)