宮部みゆき「おそろし―三島屋変調百物語事始」

おそろし 三島屋変調百物語事始

おそろし 三島屋変調百物語事始

17歳のおちかは、川崎宿で旅籠を営む実家で起きた
ある事件をきっかけに、他人に心を閉ざした。
いまは、江戸・神田三島町に叔父・伊兵衛が構える
袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働く日々を過ごしている。
ある日伊兵衛は、いつも碁敵を迎える「黒白の間」におちかを呼ぶと、
そこへ訪ねてくる人たちから「変わり百物語」を
聞くように言いつけて出かけてしまう。
そして彼らの不思議な話は、おちかの心を少しずつ、溶かし始めていく・・・。

もののけや妖怪の類いではなく
本当にこわいのは人の心である…というお話が5話。
どの話も宮部さんの優しさが出ています。
大ファンだというスティーブン・キング
某作品を想起させる最終話は圧巻。
おちかのけなげな姿に胸を打たれましたねえ。
4点(5点満点)