石持浅海「君の望む死に方」

君の望む死に方 (ノン・ノベル)

君の望む死に方 (ノン・ノベル)

死を告知されたソル電機の創業社長日向貞則は社員の梶間晴征に、
自分を殺させる最期を選んだ。彼には自分を殺す動機がある。
殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で──。
幹部候補を対象にした、保養所での“お見合い研修”に
梶間以下、4人の若手社員を招集。
日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調った。
あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。
だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、
「計画」に微妙な齟齬をきたしはじめた……。

物語の舞台となった“お見合い研修”があまりにも不自然。
その展開もご都合主義に感じられましたが
終盤の論理で畳みかけていくところは見事でした。
最後に出てきた“お見合い研修”ならではの
心理的な足枷もよく考えられていましたね。
3.5点(5点満点)