平安寿子「風に顔をあげて」

風に顔をあげて

風に顔をあげて

野球場のビール売り、ファストフードの店員、スタンドの給油係、
量販店の販売員、ファミレスやコンビニの店員などなど……。
風実(ふみ)は自称「プロのフリーター」の25歳。
ボーイフレンドの英一はボクサーの卵。
せっかく夢を追いかけていたのに、年下に強烈なパンチを食らって自信喪失。
もうボクシングはあきらめる、なんて言い出す始末。
やりきれない思いを38歳で部長昇進を果たした
サラリーマンの友達・小池さんに愚痴る日々。
そんな不安定な風実の元に、18歳の弟の幹(かん)が転がり込んできた。
その原因は……
ままならない日常を、精一杯全力で駆け抜ける風実の姿を鮮やかに描く、
すべての世代が共感せずにはいられない傑作長編!

このところ新刊がつづいて出ている印象の平さん。
エンターテイメントではない作品の感想は難しいんだけど
脇役に至るまでキャラもたっていて
結構面白かったんじゃないでしょうか。
最新刊の「こっちへお入り」は落語をテーマにしたお話だそうで
これもまた楽しみです。
3.5点(5点満点)