有川浩「阪急電車」

阪急電車

阪急電車

恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車…
関西のローカル線を舞台に繰り広げられる、
片道わずか15分の胸キュン物語。
大ベストセ ラー『図書館戦争』シリーズの著者による傑作の連作集。

これも一種の「グランドホテル形式」というのか
いろんな人達の人間模様が多層的に展開する連作短編集。
ひとつひとつのエピソードが面白いのはもちろんですが
電車という空間を舞台にしたことで
それらの人達の絡み合い、すれ違いの面白さも満喫できます。
森見さん、万城目さんの京都を舞台にした小説が
京都で生まれ育ったわたしには
より面白く、身近に感じられることは何回か書きましたたが
この作品の舞台、阪急今津線は毎日通勤のため利用する超ジモティ路線なので、
たぶん他の読者の数倍楽しませてもらってるんじゃないでしょうか。
作者有川さんもこの沿線住民、しかも最寄り駅も
わたしと同じか、ひとつとなりのようなことが書いてありました。
ひょっとしたら乗り合わせていることがあるのかも…。
4点(5点満点)