小路幸也「HEARTBLUE」

HEARTBLUE (ミステリ・フロンティア)

HEARTBLUE (ミステリ・フロンティア)

ある虹の朝、ニューヨークの失踪人課の男のもとへ、
一人の少年が訪ねてきて言った。
「ペギーがいなくなったんだ」と。
彼の捜す少女は、一年ほど前から様子がおかしかったというのだが…
一方、男の知り合いであるCGデザイナーの日本人の青年も、
ふとしたきっかけからある少女の行方を追い始める。
二人がそれぞれ動いた末に明らかになった真実とは…
想いあう気持ちがみちびいた、哀しい現実に胸が締めつけられる、
著者待望の書き下ろし長編。

「HEARTBEAT」の続編ということですが
独立した作品としても読める…ということでしたが
前作のほとんどを忘れてしまっているわたしとしては
あちこちに出てくる前作の事がとっても気になりました。
書評を読んでも、やはり前作を読み返している人も多いようです。
東京バンドワゴン」や「東京公園」などを読んで
「誠実」が小路さんのテーマだと勝手に思い込んでいるんですが
この話はそこから少し離れて辛い話になりました。
せつないラストが秀逸。
3点(5点満点)