石持浅海「人柱はミイラと出会う」

人柱はミイラと出会う

人柱はミイラと出会う

留学生リリー・メイスは、日本で不思議な風習を目にした。
建築物を造る際、安全を祈念して
人間を生きたまま閉じ込めるというのだ。
彼ら「人柱」は、工事が終わるまで中でじっと過ごし、
終われば出てきてまた別の場所に籠る。
ところが、工事が終わって中に入ってみると、
そこには知らない人間のミイラが横たわっていた。

日本古来の習慣や伝統を現代に活かすという
ユニークな発想の短編小説集。
さすがに石持さん、論理的に攻めてます。
ただ、表題作は良かったものの
いくつかの話はちょっと強引かなというものも。
キャラクターもなかなか秀逸でした。
3.5点(5点満点)