道尾秀介「ソロモンの犬」

ソロモンの犬

ソロモンの犬

秋内静、友江京也、巻坂ひろ子、羽住智佳──
4人の大学生を包んでいた日常は、
ある日を境い目に亀裂が走り、崩壊の一途を辿る。
唐突に走り出した飼い犬、路上に引きずり込まれた子ども、交通事故。
なぜ、少年は死ななくてはならなかったのか…。

冒頭から、あちこちにある「引っ掛かり」。
現実と回想が混ざり合い、作者独特の世界へ引き込まれてしまいました。
評判の良い「骸の爪」や「向日葵の咲かない夏」が
わたしとしてはイマイチ…というか、よくわからなかっただけに
読む前は不安でしたが、これは面白かったですね。
ユーモアとウィットもほどよく、読み心地のいい小説でした。
4点(5点満点)