有川浩「塩の街」(ハードカバー版)

塩の街

塩の街

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。
塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。
崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。
2人の中で何かが変わり始めていた…。自衛隊三部作陸自編。
電撃文庫 2004年刊の改訂増補〕

電撃大賞を取った著者のデビュー作ですが
この時すでにキャラ設定のうまさは充分出ているようで
期待した以上に楽しめた作品です。
「あとがき」の中で興味深かったのは文庫版との違い。
主人公たちや主要な脇役の年齢設定や
クライマックスシーンの割愛など
著者の意見が大幅に取り入れられているようです。
しかも、本編以外に、そのあと雑誌に発表された
塩の街」関連の短編が4本掲載されていて
そういう意味からも、
このハードカバー版が決定版ということのようです。
4点(5点満点)