大崎梢「サイン会はいかが?〜成風堂書店事件メモ」

4件の同一書籍の問い合わせに連絡を入れると、
4人が4人ともそんな注文はした覚えがないと……。
「ファンの正体を見破れる店員のいる店でサイン会を開きたい」――
若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に、名乗りを上げた成風堂だが……。
駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、
しっかりものの書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト店員・多絵のコンビが、
書店に持ち込まれる様々な謎に取り組んでいく。
短編5本を収録した本格書店ミステリ、好評シリーズ第3弾!

2作目の「晩夏に捧ぐ」の感想に、殺伐とした事件が、
あまりこのシリーズには似合わないんじゃあ…と書きました。
で、この第3作は、かなりそんな要素が薄まったとはいえ
いくつかの話には悪意のある事件が出てきます。
この作家さんにはもっと「ほのぼの系」の話の方が似合うと思うのですが…。
でも、この「サイン会はいかが?」が面白くないわけでは全然なく
今回も、杏子&多絵コンビの活躍と
いろいろ出てきた面白い本屋の裏話を堪能しました。
4点(5点満点)