久坂部羊「無痛」

無痛

無痛

一目で症状がわかる2人の天才医師、
「痛み」の感覚を持たない男、
別れた妻を追い回すストーカー、
殺人容疑のまま施設を脱走した14歳の少女、
そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条。
罪なき罰と、罰なき罪。悪いのは誰だ?

あまり評判にもならなかったような印象があるので
失礼ながら、それほど期待せずに読み出したんですが
どうしてどうして面白くて
グイグイ引っ張られてしまいました。
幹になる本筋の話はもちろんのこと
枝葉の部分のエピソードまでしっかり書かれているので
物語としても厚みがあって読み応え充分でしたし
いくつか考えさせられる問題もあったりして…。
途中の感想でも書いたんですが
物語の舞台が以前住んでいた神戸の岡本、御影、六甲あたり。
出てきた幼稚園は、うちの息子が通っていたところと
個人的に臨場感たっぷりなのも楽しめた要素かも。
4点(5点満点)