戸梶圭太「誘拐の誤差」

誘拐の誤差

誘拐の誤差

鬼才が放つ本格警察小説。
10歳の子供が須田というどうしようもない男に殺された。
捜査に乗り出す警察だったが、須田にはなかなか辿り着かない。
それにはある警察内部の事情があったのだ。
ゾッとする怖さを秘めたミステリーの傑作登場。

表紙を見て、これホントに戸梶の本?真保さんの本じゃないの?
しかし、表紙を開いた見返し、扉のあたりから
怪しげなイラストが出てきて、なるほどトカちゃんの本だ、と納得。
読み始めてさらに納得。トカジ節全開でした。
「誘拐」とありますが、普通の誘拐小説の緊張感は微塵もない。
パワフルでお下劣で、バイオレンスいっぱいの展開。
オーバーで滑稽な話だと思って読んでいたけど
よ〜く考えたら、これがリアルなのかも。
本編が終わったあとのエピローグにあたる部分がまたスゴイ。
ホント、こわい世の中です。
3.5点(5点満点)