石持浅海「BG,あるいは死せるカイニス」
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/11/30
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (76件) を見る
男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の姉が、どうして?
しかも姉は誰かからレイプされかけたような状態で発見されたが、
男が女をレイプするなんて、この世界では滅多にないことなのだ。
全人類生まれたときはすべて女性、
のちに一部が男性に転換するという特異な世界を舞台に繰り広げられる奇想の推理。
破天荒な舞台と端整なロジックを堪能できる石持浅海の新境地。
*
舞台はいま現在の日本。
しかし、ひとつだけ違うのは
生まれてくる子供がすべて女性であるというだけ。
この奇妙な設定が、規定の価値観を少しずつズレさせ
不思議な雰囲気をつくっているようです。
ただ、よく練られたプロットではあるものの
いつもの石持作品のようなロジックの冴えが感じられなく
ちょっと不満が残りました。
しかし若手のなかではNo.1のパズラーであることは
間違いないでしょう。
3.5点(5点満点)