盛田隆二「ありふれた魔法」
- 作者: 盛田隆二
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/09/21
- メディア: 単行本
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彼女とともに先方を訪ねた。
その帰りみち、智之は彼女に、頑張ったねと声をかけるだけでなく、
そっと抱きしめてあげたくなった。
自分がもっと若くて、きらきらと輝いていたあのころの自分だったら…。
人生の予定が狂うほどの恋などするつもりはなかった。
秋野智之44歳、城南銀行五反田支店次長、妻と3人の子あり。
リアリズムの名手が、理性では抗えない人間・人生の不可思議を描く。
*
「リアリズムの名手」といわれるだけあって
細かでリアルなディティールが積み重ねられ
小説の厚みを支えているように感じました。
語り口もスムーズでページを繰るのがもどかしいほど。
アマゾンのレビューでは、女性の方の感想を見ると、
引っかかるものがあるようですが
男のわたしから見たら「そうそう…」と頷ける部分が多かったです。
ただ、肝心のところで、腑に落ちない部分があり
少し評価が落ちてしまいました。
3.5点(5点満点)