盛田隆二「ありふれた魔法」

ありふれた魔法

ありふれた魔法

秋野智之は、部下の森村茜が担当する顧客に謝罪するために
彼女とともに先方を訪ねた。
その帰りみち、智之は彼女に、頑張ったねと声をかけるだけでなく、
そっと抱きしめてあげたくなった。
自分がもっと若くて、きらきらと輝いていたあのころの自分だったら…。
人生の予定が狂うほどの恋などするつもりはなかった。
秋野智之44歳、城南銀行五反田支店次長、妻と3人の子あり。
リアリズムの名手が、理性では抗えない人間・人生の不可思議を描く。

「リアリズムの名手」といわれるだけあって
細かでリアルなディティールが積み重ねられ
小説の厚みを支えているように感じました。
語り口もスムーズでページを繰るのがもどかしいほど。
アマゾンのレビューでは、女性の方の感想を見ると、
引っかかるものがあるようですが
男のわたしから見たら「そうそう…」と頷ける部分が多かったです。
ただ、肝心のところで、腑に落ちない部分があり
少し評価が落ちてしまいました。
3.5点(5点満点)