荻原浩「四度目の氷河期」

四度目の氷河期

四度目の氷河期

人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。
ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした…
何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、
ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。
その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。
「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?
明日の記憶』の著者が描く、今ここにいることの奇跡。感動青春大作。
17歳の哀しみと温もりが、いま鮮やかに甦る。

奇抜な設定は最初だけで、全体としては心地よい成長小説であり、
恋愛小説であり、家族小説でした。
「普通」ということ、「普通からはみだす」ということを
考えさせられるお話でもあり
個性を抑える傾向のある今の教育に疑問を投げ掛ける内容でもありました。
主人公はもちろん、端役に至るまで
登場人物がイキイキと描かれていたことも魅力的。
なかには話には直接出てこないのに存在感のある人もいたほど。
ラストもなかなか感動的でした。
お父さんとの対面はリアルでドライだったけど、
その分、そのあとの展開が活きてましたねえ。
4.5点(5点満点)