北村薫「ひとがた流し」

ひとがた流し

ひとがた流し

アナウンサーの千波、作家の牧子、
元編集者で写真家の妻となった美々は、高校からの幼なじみ。
牧子と美々は離婚を経験、それぞれ一人娘を持つ身だ。
三人それぞれの思いや願い、
そして、ささやかな記憶の断片が想い起こされてゆく。
「涙」なしには読み終えることのできない北村薫の代表作。

先日読んだ唯川恵の「今夜は心だけ抱いて」の中にも
人間、年をとっても失うものばかりではない…という意味のことが
書いてありましたが、この「ひとがた流し」も
年を重ねたからこそ、味わえる小説の良さ、深さが
感じられる作品なんじゃないでしょうか。
著者のあとがきにもハゲシク同意。
なお、いつもはアマゾンの紹介コピーをそのまま使うんですが
ややネタバレ気味のところがあったのでカットしました。
なんの予備知識もなく、読んで欲しいですね。
4.5点(5点満点)